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兵庫病院薬剤部からのご案内

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** 脱 水 症 予 防 **

 脱水症とは、生命維持に欠かせない、体の水分と電解質が減少している状態をいいます。
 私たちの体の水分量は、成人の場合、おおよそ体重の60〜70%です。体重が50キロの人の場合、約30〜35リットルの水分が体の中にある計算になります。乳児の場合は、おおよそ体重の80%が水分です。体の中で水分は、血液や筋肉の中に蓄えられているのですが、筋肉量の少ない乳幼児や、高齢者はちょっとしたことで脱水状態になりやすくなっています。 特に高齢者は、加齢変化(老化)により基礎代謝量が減少し、代謝によって生成される水分が減少します。細胞数も減少し細胞内液が少なくなり、筋肉・皮下組織などにおける備蓄水分量が減少します。
また、口渇中枢の感受性低下によりのどが渇きにくくなり、水分補給が減少します。さらに、高齢者の一部では、失禁や夜間頻尿などを気にして水分を取らず我慢したり、意欲低下などから水分摂取が思うようにできなくなり、最終的に脱水に傾く人もいます。軽度の脱水では症状が明らかになりにくいのも高齢者の特徴です。

 脱水状態になると、のどの渇きを感じる脳の中枢が刺激され、水分を摂取するという行動が促されますが、水分の摂取量が失った分に追いつけないと脱水状態がさらに激しくなります。発汗量が減り、尿の排出量も少なくなります。必要な量の血液と血圧を維持するために水分が細胞内から血流へ移動しますので、脱水が続くと体の組織が乾きはじめ、細胞はしぼんで機能しなくなります。重度の脱水では、脳細胞が特に敏感に影響を受けます。したがって、錯乱は激しい脱水状態であることを示す指標の1つだといえます。そして、きわめて激しい脱水は、昏睡を引き起こします。このように、脱水症状のために一気に体力が低下し、場合によっては生命を脅かすこともあります。

脱水症状の兆候と予防をしっかり身につけて、暑い夏をのりきりましょう!

脱水の症状は?
・元気がなくなる
・発熱する
・皮膚が乾燥する  〜わきの下は乾いていませんか?〜
・訳の分からないことを言ったり、うつらうつらしたりしている
・幻覚がある
・朝おきたら、のどが渇いている
・口の中がねばついた感じがする
・唇や舌が乾燥している
・尿が濃い
・目が落ちくぼんでいる   etc

1日に必要な水分量はどのくらい?
 
体の中のいらないものを捨てるには、1リットルの水分量(尿量)が必要になります。汗や呼吸、便に含まれる水分を入れると、1日2リットル以上の水分が必要です。食事で摂取できる水分もありますので、飲んで摂取する水分量の目安は、(体重×35ml)です。体重が50キロの人は、50キロ×35ml=1,750ml ということになります。
特に、夏は、大量の汗で水分が失われますので、出てしまった分の水分は取る必要があります。
ただし、アルコールは水分量に含みませんので、要注意!

脱水症を予防しよう!
・定期的に水分を取りましょう。(1日2リットル以上)
・活動時には1時間〜2、3時間おきにとるなど、時間を決めて水分を取りましょう。
・就寝前や起床時、入浴の前後、運動の前後や運動中は、水分を取るようにしましょう。
・外に出るときは、水やお茶を持っていきましょう。
・外から帰ったら、必ず水分を取りましょう。
・一度にたくさんの水分は取りにくいものです。1回200ml以下ぐらいがよいでしょう。
・飲み物の種類は、カロリーやカフェインなどに注意すれば何でもいいと思います。
また、温度は10度前後の温度のものが吸収に適しています。

脱水への対応策:脱水状態を疑ったら
まず栄養状態も含めた食事摂取状況を確認し、次に脱水の原因(熱中症・下痢・嘔吐など)を探し、根本的な治療が必要かどうかを考えます。これらを踏まえた上で、脱水症における重症度を確認します。
軽症であれば、まず食事をきちんと取りながら、水分を補給しましょう。
手近に飲み物を置きいつでも飲めるように配慮することも重要です。入浴中や就寝中は想像以上に発汗しますので、入浴前後や就寝前、起床時などにも水分補給を勧めて下さい。
ただし、水分量だけを確保する目的でむやみに摂取するのも危険です。特に心臓疾患や腎臓疾患を持ち合わせている人や高齢者は、若年者と比べて血行動態バランスを取るのに時間がかかるため、
急速な水分摂取はなるべく避け、緩徐な水分摂取をお勧めします。
 下痢や嘔吐、多量の発汗では、多くの水分だけでなく電解質も失っています。したがって、
水分だけでなく電解質も補給する必要がありますので、イオン飲料を摂取した方が望ましいです
重症の場合は、わずかでも口から水分を摂取できる場合にはイオン飲料の経口補給をして頂いて構いませんが、程度に応じ医療機関で受診しましょう。

意識障害を認める場合は、嚥下機能が低下している可能性があり、点滴などで水分や電解質を補給しなければなりませんので、原因検索も兼ねてできるだけ早く医療機関へ連絡して下さい。
脱水症の治療
 水分、電解質の補給が不可欠です。その際、水分欠乏量やNa欠乏量は下に示す計算式で推測できます。乏尿、精神・神経症状を伴う場合は、平均3000mlの水分欠乏があるとみなされ、補液量の目安となります。実際には、電解質や血漿浸透圧の値から補液内容を決定し、発症当日の半日から1日かけて欠乏量の1/2を補います。補液速度は開始時には速く、経過中に低Na・低Ka血症が顕在化してくることが多いため、適宜、電解質や血漿浸透圧のモニタリングが必要になります。高度な脱水では、血圧や尿量が保てるようになるまで、比較的急速な補液が必要です。
 

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